- やりたい表現はなんなのか?
- その表現は写真意外でできないのか?
- 自分が好きな写真はどんな写真なのか?
- その写真はどうやって撮られたのか?
- 写真に使えるお金はいくらあるのか?
はじめに
写真を撮るには道具が必要です。スマホでも撮れますが、今のところスマホでなんでも撮れるとは言えないです。
ただし、限定した条件では最新のスマホで撮った写真や動画と何十万円もするカメラ機材で撮ったモノと見分けがつきにくい事があります。
今回は、私が考える表現に必要なカメラについて考えてみます。
カメラを買う前に考えた事
カメラを買ってしまったら、私の性格上なかなか後戻りはできないので買う前に色々考えました。最初にお金は生きていく上でとても大切なものなので、お金を自分が考える表現とは違うものに使うと、後々苦々しい思い出にならないように次の事をよく考えてから買うか買わないかを決めました。そして買うと決めてから1週間考え続けて、その気持ちが変わらなかったので買うことにしました。
1は言葉にすると分かりやすいですが、今まで色々やってきてこれが抜ける事がとても多かったです。
買い物は脳内に快楽物質が流れるので誰も楽しいと思います。これやりたいと思ったら直ぐに道具を買ってしまって、モノが届いたらほとんど使わないと言うことがとても多かった経験があるので、じっくり考えました。
写真を撮り始めて分かった事の1つに、写真じゃなければ表現できないような気がするけど、どんな表現をしたら良いか分からないと場合でもカメラを買ってしまっても良いと言う事です。写真を撮り続けていると見つかるものがありました。
2も重要でした。写真以外でできるのであれば、どっちが自分に合っているかを考えました。写真を誰かに見せた時に「どうしてこの写真を撮ったのですか?」と聞かれる事があります。
この意味は「写真じゃなくても良くない?」的な事も含まれている事もあるようにも感じます。
私は写真を始める前に、「これ良さそう」と1を無視してさらに2も考えずに液晶タブレットを買って絵を描こうとしました。しかし、1枚作るのにとても時間がかかりますし、ソフトが恐ろしく複雑で直感で操作できなかったので使わなくなりました。(運よく写真のレタッチで使っているので液タブは買って損はしませんでした)
3ですが写真には色々な表現があります。
昔から写真集を買っていたので、なんとなく自分が好きな写真はぼやっとですが頭にありました。カメラを買った時は、世の中はカラーでしか見えないのだから白黒写真はそんなに好きではありませんでした。しかし、ユージン・スミス氏のオリジナル写真を見た時から白黒も好きになりました。
インプットが多ければ多いほど自分が好きなモノが分かる事を体験できました。
写真を撮り始めたら、早めに好きなものを見つけることができると自分表現もしやすくなると思います。
4は撮影設定の話ではないです。本を読んでいたりインタビューを聞くことができると、その写真をどう撮ったのかを聞くことができます。例えば、絵葉書のような写真にはしたくなかったので・・・みたいな話です。
どのように撮られたかを聞くことができたから、自分の表現が広がりました。
5の予算はとても大切でした。
カメラとレンズ以外にも写真は色々お金がかかります。現像ソフト、パソコンは必須です。現像ソフトはカメラについてくるソフト以外の方が優れています。結果、効率を考えるとソフトは買うことになります。
ポートレートでやりたくなることは閃光撮影、定常光撮影があります。自分が触れたことが無いことは興味が出てしまうので、閃光のためにストロボ買ったり、定常光も憧れてしまってLEDライトを買ったりしてしまいました。
ただ、LEDは今の技術では巨大な上に電源も必要になってしまうので、スタジオを借りないと使うことはないです。ストロボは最初は使っていましたが、撮影していると注意される事が多すぎて持っていくのが面倒になっています。(公園はもちろん、路上、河原でも注意されたりします。ライトスタンドや三脚使わなくてもです)
カメラという道具
カメラという道具はレンズで見たものを写真というものに変換する道具です。これをもっと抽象化すると、XというものをFを通してYというものに変換する道具をカメラと言うとも言えます。
これは、手(F)がカメラで目(X)がレンズでスケッチブック(Y)が写真でも良いですし、レコーダー(F)がカメラで、マイク(X)がレンズで出来上がったデータ(Y)が写真でも良いです。もっと大きな世界で考えると大学(X)がカメラで、教育(F)がレンズ、卒業生(Y)が写真でも同じような事だと思います。
この事を意識してカメラ選びできればもっと表現の幅が広がりそうですが、私はフルフレーム(フルサイズ)のカメラを選びました。
なんでも良いのか?
カメラはなんでも良いと言う方がいます。私はそうは思いません。デザイン、操作、メーカー、性能、その他自分が気に入ったものを買うべきです。デザインが気に入れば、そのカメラの後継機が出ても使い続けられますし、「ずいぶん古いカメラ使っているのですね?」という言葉や、新製品にも心が揺らがないからです。
また、他人の「これが良い」は聞かないようにしています。「こんな事ができる。できない。」を聞くようにしています。
これが良いと言われたものを買ってしまうと、それは他人軸で買ったものになり、後々後悔することになるかもしれまないからです。例えば、「このAPS-Cカメラはフルサイズ同様の性能が出るのでおすすめ」みたいな話や「ミラーレスならSONY一択です」などです。間違ってはいませんが、自分が撮りたいものやカメラのデザイン、性能が気に入らなくなるかもしれません。特に店の人は売れ残り(売れれば嬉しいもの)を勧められる可能性はとても高く、昔大きく後悔した経験があります。(今日だけ安くしますは、「売れ残っていて困っています」に聞こえるようになりました)
また、カメラに詳しい人もNGに思うようになりました。大抵の人は贔屓(ひいき)にしているメーカーがあったりします。当然好きなメーカーを薦めてきますし、最悪の場合は他メーカーを馬鹿にしたりします。
人に聞くことは「何ができて、何ができないか」しかないです。例えば「詳細な写真が撮れるけど、暗いところの写真は不得意」とか、「高性能だけどとても重い」とかです。全てはトレードオフです。できることがあればできないことがあります。なんでもできるのであれば、みんなそのカメラを買うはずですが、そうで無いのはこういう理由があるからなはずです。
いつ買う?
いつ買うかも重要です。カメラが家電化した今。待てば待つほど中古も出てきますし、新品も安くなってきます。(2021年から物流問題が出て需要に対して供給が間に合わなくなり、カメラの値段は下がりにくくなっていますし、さらに予約しなければ、2ヶ月から1年待ちと言うことも起きていますが、今が特殊な環境なのかもしれません)
型落ちのカメラを中古で買うのも良い方法だと思いますが、中古は中古で悪いところもあります。
昔は中古カメラしか買いませんでしたが、年収が落ちが今になって思うことは、できるなら新品が良いと言うことです。中古は見る目がないと見逃すところが多いですし、最近のカメラ屋はおしゃれな雰囲気を演出しているので薄暗すぎて気が付かない部分があったりします。さらに、カメラ寿命が短いので中古を買ってしまうと使い潰ししなければ、高値で下取りが難しくなります。
予算が許すのであれば、新製品を予約して発売日に買うのが今のデジタル時代のカメラ購入方法なのかと思っています。買ったら値が落ちない範囲で次々に新製品に乗り換えていくのが良いと思います。
なぜ、予約してまでなのかと言えば、安くなるまで待つ機会損失がもったいないからです。その期間何もできません。写真は撮れば撮るほど気がつくことは多いです。また、自分のカメラを自分のものにするには時間も必要だからです。
終わりに
フィルム時代には200万円も払えば10年、20年使えたカメラが存在していました。今はどんなに高いカメラ(量産品)でも1年に10万円ずつ目減りしていきます。30万円のカメラは4年も使うと買取価格は2〜4万になっているように思えます。
家電化したカメラは時代の技術革新で値段が急激に下がっていくものになりました。フィルム時代の方が圧倒的にコスパは高かったとつくづく感じています。でも、その時代にはもう戻れませんので、世の中に合わせシステムに更新していくのが良いと思います。
しかし、家電化していないカメラもあります。やはり値段は下がりますが、そんなことはどうでも良くなるようなカメラです。壊れるまで使い続けたいというカメラに出会った時、自分の表現にはこれ以上のカメラは不必要と思った時に、新製品を買い続けるメーカーに踊らされる旅は終わると思います。
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